一歩一歩育んでいく家族の絆に涙する!重松清【ステップ】あらすじと感想

家族小説

あなたにとっての家族ってなんですか?

大好きなひとたち?
いこいの場所?
息苦しい存在?
それとも……?

どれもが正解。
でも、どんな家族でも、
最初から完璧ではないはずです!

今回紹介する、
重松清さんの【ステップ】の家族も、
一歩一歩家族としての絆を深めていく物語となっています。

すれ違うこともあるし、
重たく感じることもある。
血がつながっていなくても
たいせつな家族になれることもある。

むしろ、

いろんな時間を共有して、
そうやって段階をひとつずつ踏んで
家族になっていくんだなって感じました!

こんなひとにオススメ

【ステップ】はこんなひとにオススメ

  • 大切に想うひとがいる
  • 家族との関係に距離を感じる
  • とにかくいまは泣きたい気分だ

あらすじ

結婚して三年。娘の美紀がうまれて一年たち、幸せ真っ盛りのころ、妻を病気で亡くしてしまった武田健一。悲しみに暮れるひまもなく、一人娘の子育てに追われる毎日。残業の少ない部署に移ったり、義実家からのプレッシャーをうけたり、男手ひとつでの子育てに戸惑う。そんななかでも、一歩ずつ家族としての絆を二人で深めていく。二歳から小学校卒業までの軌跡。美紀の成長する姿にあなたもきっと涙する。

おすすめポイント

家族小説っていいですよね~。

笑いあり涙あり、
くっついたり離れたり、
そしてまたくっついたり。
濃いドラマが詰まってるのが家族!

【ステップ】もそんな一冊でしたが、
この小説ならではのおすすめポイントを三つあげてみました!

おすすめポイント
  • とにかく泣ける
  • 変わらないもの
  • 表題に隠された意味

それでは、
三つそれぞれのポイントをみていきましょう!

とにかく泣ける

とにかく泣けました!

家族っていいなぁ
美紀は寂しいだろうなぁ
健一はひとりで心細いだろうなぁ
義両親の二人も悲しいだろうなぁ
美紀の成長は純粋にほほえましいなぁ

読んでるときにわいてくる
様々な感情で思わず泣けてきます。

例えばこんな場面がありました。

保育園では片親の子どももいるから、
父の日や母の日というイベントはなかった。
けど、小学校になると大多数はいるので、
母の日も立派なイベントのひとつになってしまう。
美紀の通う小学校では、
母の日にお母さんの似顔絵を描くことになっている。
母の記憶のない美紀だけ、写真をもとに描くことになる。

そんなことを小学校の担任の先生から言われる健一の気持ちも、
同級生から投げかけられる純粋なことばに傷つく美紀の気持ちも、
痛いほど胸にしみてウルウルしてきます(´;ω;`)

そして、

悲しみのなかでも、
一歩ずつ前に歩き出す二人の姿をみてると、
ウルウルを通りこして号泣してしまいました。

一例をあげたのは親子の話でしたが、

娘をはやくに亡くしてしまった義両親サイドのエピソードなどもグッときます...

変わらないもの

亡くなったひとだけ「永遠」を背負わせるのは、生きてる者の身勝手さではないかとさえ、いま、思った。

っていう名言がありました。

たしかにそうですよね?

いま生きてるぼくたちは、
日々、成長したり衰えていって
変わり続けている。
だからこそ、死んでしまったひとたちが、
永遠に変わらないように思ってしまいがちだけど、
きっとそうではないのかもしれない。

死んでしまったひとへの気持ちとかも変わっていく。

会えなくなってからでも新しい思い出が増えることもある。

その発想はこの小説を読むまで全くなかったなぁと思います。
変わらない存在であったとしても、
心や気持ちの面などで変化はきっとある。

そうですよね?

表題に隠された意味

step familyは血縁関係がない家族のことをいいます。

なので、
読む前までは、
てっきり再婚した家族の物語なのかな…って思ってました。

でも、

読み進めていくと、
健一と美紀は血がつながってるし、
「どゆこと?」って思ってると、
それ以外の意味が隠されていました。

ただぼーっと突っ立ってるだけじゃ、親子になれないんだよ。踏み出さなきゃ。ホップ、ステップ、ジャンプ、って……三歩ぶんぐらいの距離があるんだ、最初は。それを埋めていくんだよ、ゆっくりと、時間をかけて。

ホップ、ステップ、ジャンプ
魔法のことばみたいですよねw

家族であっても、
こうやって距離は自分たちで埋めていかないとダメ
踏み出さなきゃって思いました!

勇気をだして踏み出した結果、
健一はちゃんと家族を手に入れました。
娘の美紀だけじゃなくてstep familyも(笑)

もう、感動して涙ちょちょぎれちゃいますw

すべての意味がこめられたタイトル。
読み終わって改めてステキだなぁって思います!

おわりに

「どうせ家族円満で終わるんでしょ?」
そう分かっていても読んじゃうのが家族小説なんです。

家族小説でも、
それぞれドラマは全く違いますし、
こんなにも心に響かない小説もある。

読んでみないと分からないですからw

でも、
この【ステップ】はおすすめですよ!
家族小説loverのぼくも大好きな一冊になりました。
気になった方はこちらからチェックしてみてください↓

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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水曜日の手紙(森沢明夫)
世界地図の下書き(朝井リョウ)

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