「最後の10ページで大号泣…」いじめ、家族の問題、それを乗り越える少年たちの姿に感動!朝井リョウ【世界地図の下書き】あらすじとネタバレ

家族小説

子どものころ、
「早く大人になりたい!」
って思ったことありませんか?

自由気ままにしてる大人に憧れること一度はあると思います。

でもいまは、
まっすぐに生きてる子どもたちの物語を読んで、
「子どものころに戻りたいなぁ」なんて思ったりもしましたw

そう思うキッカケになったのが、
朝井リョウさんの【世界地図の下書き】です!
悩みを抱えながらも成長する姿に感動・・・

特に、

最後の10ページはほんとに大号泣しました(-_-;)

子どもにしか分からないこと、
子どもだからこそ共感できること、
いろいろとあると思うけど、
大人だからこそ感動して泣いてもいいと思います!w

こんなひとにオススメ

  • 学生時代にいじめられてたことがある
  • 子どものころ家庭環境が複雑だった
  • 大人が泣ける小説を探している

あらすじ

小学三年生の太輔たいすけは、ある日突然両親が事故に巻き込まれて死んでしまってひとりになる。親戚の家にひき取られるも、虐待を受け、児童養護施設にやってきた。それから三年。死んだ両親と約束していた夏のイベント「願いとばし」はここ数年間中止されていた。しかし、施設でなかよくなった佐緒里さおりと離れ離れになる前に、どうしてももう一度「願いとばし」を復活させたかった。太輔は、施設の仲間とともに一生懸命走り出した。

感動ポイント

かわいい表紙だな……。
朝井リョウの小説だ!

まったく本の内容とかではなく、
すごい軽い気持ちで手にとった本でした。

そんなきっかけで読み始めましたが、
途中からどんどん沼に落ちていって、
最後の10ページでは大号泣。

めっちゃ泣かされました!

その感動ポイントを、
ネタバレを含みつつ、
ぼくなりにまとめてみました。

感動ポイント3つ
  • 「願いとばし」が美しい
  • 子どもの悩みに共感する
  • ランタンの本当の意味(ネタバレ有り)

感動ポイントはこの三つ!
それでは早速みていきたいと思います。

「願いとばし」が美しい

「願いとばし」と聞いても、
多くの方の頭のなかは“?”状態だと思います。
なので、まずはその説明から。

この小説の舞台で行われる伝統的な行事。
八月八日の蛍祭りの目玉企画。

特別な紙で作られたランタンを、
小学校のグラウンドから一斉に飛ばすことで、
夜空一面に蛍が飛んだようになる。

イメージ的には、
台湾のランタン祭りや、
ラプンツェルのあのシーンのようなもの?

きっと幻想的ですよね?

ただ、このお祭りの行事、
ひとつだけ決まりごとがあるんです。
それは“家族と一緒に飛ばすこと”

だから、家族がいなくなってしまった太輔には相当悲しいイベント。

その「願いとばし」も、
太輔が施設に来てからは中止になっている状態。

そんな状態の「願いとばし」を、
施設でなかよくなった佐緒里のために、
家族のような大切なひとのために、
ガムシャラに復活させようとする太輔たちの姿には、
感動させられちゃいます!

子どもの悩みに共感する

学校のなかだったり、
家族の問題だったり、
子どもならではの悩みってありますよね?

いじめの悩みはその典型的なことのひとつ。
太輔たちは施設にいる子どもたちならではの、
家族の悩みも深く抱えてたりします……。

それに直面しても、
小さな体で立ち向かおうとするのは、
すごくジーンとさせられるポイントでした。

そして、
感動してる最中の、
クライマックスでつづられるこのことばでは号泣……。

いじめられたら逃げればいい。笑われたら、笑われない人を探しに行けばいい。うまくいかないって思ったら、その相手がほんとうの家族だったとしても、離れればいい。そのとき誰かに、逃げたって笑われてもいいの。
(中略)
逃げた先にも、同じだけの希望があるはずだもん。

ぼく自身いじめられた過去があるので、
これを読んだ瞬間、
いろんなツラかったことも思い出してしまって、
涙が止まらなくなりました。

大人の世界にもいじめはあるけれど、
子どもには“逃げる”っていう選択肢がなかったりしますよね?

親に素直にうちあけられなかったり、
うちあけても真剣に考えてくれなかったり。

ぼくの場合は、
うちあけられず、
ただ毎日を耐え忍んで、
嵐が過ぎるのを待っていました。

でも、

それって他力本願すぎますよね?
自分の力ではなにもしないのと一緒。
たとえ逃げることを選んだとしても、
自分の道を自分の力で切り開くんですから、
きっとそっちの方がいい!

いじめだけじゃなくて、
家族の問題に関してもそう。

希望はいっぱいあるんだよ。
ツラくなったら逃げだしてもいいんだよ。
むかしの自分には伝えてあげたいなって思うし、
もし、いま、自分の周りで苦しんでるひとがいたら、
そうやって声をかけてあげたいなって思いました。

まぁいじめがなくなればいいですし、
家族の問題を子どもに背負わせなくなればベストなんですけど。

ランタンの意味(ネタバレ有り)

ランタンを飛ばした意味、
これを最後にネタバレを含みつつ書いていこうと思います。

※ネタバレが苦手なひとは、「おわりに」までスクロールしてください!


ランタンを飛ばすときは、
かなえたい希望を込めて空に放ちます。


なのでてっきり、
太輔たちが願いとばしを復活させるのは、
佐緒里ちゃんの願い(映画女優の亜里沙みたいになれたら…。)を、
ランタンを渡して佐緒里自身で願ってもらうことだと思ってました。

でも実際は、

映画のなかの亜里沙のようになってもらうことでした。
佐緒里がずっと観ていた映画のシーンで、
蛍がとびかってる感動的なシーンが描かれています。
その蛍のかわりにランタンを飛ばして、再現しようとしていたんです!

願いとばしを復活させて、
「ランタンを渡して願いを込めてね」
っていうだけでも感動するだろうけど、
それだけだとやはり願いが叶う可能性は低いですよね?

だけど、

映画のシーンを完成させて、
亜里沙のような場面を味わってもらう。

それが分かったとき、
ものすごくジーンと感動しました。

しかも、

文庫本の表紙もちょうどその場面だったんだ、
って気づいた瞬間は感動の波がまたきました。

そして、
先ほど紹介した感動的なセリフ。
もう泣かないわけないじゃん!っていう一冊ですw

おわりに

養護施設に暮らす子どもたちが抱える悩み。
それにひたむきに向き合う姿に感動する物語でした。

大人も泣ける一冊だけど、
中高生のひとたちにもオススメです!
少年たちの友情物語に涙しましょうw

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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