「夏におすすめ!」淡くて切なくて温かい気持ちにつつまれる。森沢明夫【夏美のホタル】映画の原作小説のあらすじと名言!

感動小説

もうすぐで夏まっ盛り!

セミの大合唱
風鈴の涼しい音色
手持ち花火のはぜる音

そんな夏の気配を
全身で感じられるのが、
今回紹介する森沢明夫さんの
【夏美のホタル】です!

淡くて切なくて、
それでいてどこか温かい気持ちになれる、
“ザ・夏”そのものを体感できて
夏に読むのにピッタリの一冊です!

映画化にもなった話題作!

森沢さんならではの名言も目白押し。
この夏の思い出のひとつにいかがでしょう?w

こんなひとにオススメ

  • 四季のなかでいちばん夏が好き
  • 田舎で流れる自然の音につつまれたい!
  • 誰かを想い続ける気持ちを大切にしたい

あらすじ

写真家志望の相羽慎吾は、彼女の夏美が運転するバイクのタンデムシートにのせてもらい、撮影スポット探しに出かけていた。道中で、山奥にポツンとたたずんでいた「たけ屋」に立ち寄る二人。そこで暮らす母子と仲良くなった。そして、夏のあいだ、「たけ屋」の離れで住まわしてもらいながら、慎吾の写真コンテスト用の写真を撮ることになる。「地蔵さん」と呼ばれるおじいさんに川遊びを教えてもらったり、「ヤスばあちゃん」の手料理をごちそうしてもらったり、近所のこどもと仲良くなったり。淡くて切ないひと夏の思い出。

夏を体感する一冊

みなさんは四季のなかで、
どの季節がいちばん好きですか?

夏はいかがでしょう?

暑くて体力減っちゃって嫌だ!
っていうひともいるかもしれないですが、
いろいろとアクティビティがあって楽しいですよね?w

この小説でも、
ツーリングに出かけたり、
川遊びや釣りをしたり、
ホタルを見に行ったり、
花火をしたり、
楽しい夏を存分に味わっています。

読んでるとこっちまで夏を体感してる気分になります(笑)

でも...

不思議なのが、
夏ってあっという間に終わってしまうこと。
急に肌寒くなって心なしか、
切ない気分にもなりませんか?

慎吾と夏美のひと夏の思い出も、
セミの大合唱がなくなるとともに、
あっという間に終わってしまいます。

そして、

満喫しきったひと夏の最後には、
すごく悲しい出来事も……。

そんな夏の終わりは、
淡くて切ない夏ならではの仕業かも。

グッとくる名言

名前が親からもらうプレゼント
っていうのがすごくいいですよね!

「地蔵さん」っていうあだ名のおじいちゃんは、
幼いころにお父さんを亡くしました。
でも、彼の名前はお父さんが付けてくれたということで、
お父さんからの贈り物・形見のようだと言って大切にしています。

その名前は“恵三けいぞう”といい、
そこに込められた思いにもグッときます。
まさに森沢明夫の名言の世界!

ちなみに恵三には、
「三つの恩恵があるように」という、
希望が込められてつけられた名前でした。

三つの恩恵
  • この世に生まれてくる喜び
  • 親に愛される喜び
  • 伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜び

この三つの恩恵は、
恵三さんではなくとも、
誰しも自分の胸に大切に
しまっておきたい名言じゃないでしょうか……?

そして、

地蔵さんが、
悩める青年・慎吾にかけてあげたことばも、
名言のひとつだと思います!

それはこちら↓

他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃう

たしかにないものねだりってありますよね?

「隣の芝は青い」

こないだ読んだ森沢さんの、
【キッチン風見鶏】でも、
周りとついつい比べてしまう、
漫画家志望の青年が出てきます。

でも...

やっぱり比べちゃうっていうのは、
自分が持ってるもののスゴさを
自覚できていないってことなのかもしれません。

RADWIMPSの『夢番地』という曲で
むかしから好きなフレーズがあるんです。

僕がたっているここはきっと誰かの願ってる場所で、
誰かが立っている場所がきっと僕の望む場所で

  • 性格
  • 見た目
  • スキル

輝ける自分だけの長所はきっとそれぞれちゃんと持ってるはず!

そうやって改めて気づかせてくれたのが、
【夏美のホタル】の名言のひとつでした。

【キッチン風見鶏】の感想記事はこちら!

小説のアレコレ

この小説にまつわるアレコレを、
コチラでひとまとめにしてご紹介!

  • バイクについて
  • 風鈴について
  • モデルについて

それぞれをみていきましょう!

バイクについて

まずはバイクについて。

夏美が乗ってるバイクは、
ガンで亡くなってしまった父親の形見。

型は、HONDAのCBX400Fというもの!
文庫本の表紙に描かれてるのがそれなのかな?
ちょっとバイクに関しては知識ゼロなので分かんないですけどw

でも、
颯爽と走る夏美の姿は想像できちゃいます!

おばあちゃんをのせて走る、
あの名シーンを彩ったバイク。
この小説のキーアイテムです!(笑)

風鈴について

夏を涼しくしてくれる音色、
そして物悲しい雰囲気も感じる凛という響き。

この風鈴も重要なアイテムでした!

形は、

縁のところに五つの山があり、桔梗の花を逆さまにしたような形

ということだったので、
【エミリの小さな包丁】のおじいちゃん・大三さん
工房で作っていたやつなのかな?w

凛という風鈴の音や、
田舎の雰囲気が好きなら【エミリの小さな包丁】もオススメ!

モデルについて

「たけ屋」は、
実在するお店をモデルにしたみたいです!

どこにあったのかは明言はされてないけど、

森沢さんが、
高校生のころツーリングしていたときに
出会った店をモデル
にしたそうです!
フィクションは盛り込まれてるけど、
「地蔵さん」や「ヤスばあちゃん」も
モデルがいてるってなんかステキだと思いました!w

おわりに

淡くて切ないけど、
どこか温かい気持ちになれる、
夏にピッタリの一冊でした!

名言にも相変わらずグッときたし、
出てくるひとたちに癒されちゃいました(笑)

今後の夏美と慎吾も気になる……。

いつか将来どうなったのか、
第二弾とかシリーズ化してくれないかな?w

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

この本を読んだひとはこちらもおすすめです。
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旅屋おかえり(原田マハ)
この恋は世界でいちばん美しい雨(宇山佳佑)

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