「ぽわ~っ…」ひとの温もりにふれて生まれ変わった気分になれちゃう!小川糸【つるかめ助産院】あらすじと感想

家族小説

最近調子どうですか?

ひとの温もり足りてます?w
寂しい思いしていませんか?

舞台が南の島っていう場所柄もあるけど、
この本ででてくるみんなはあったかい……。
温もりをチャージしちゃいましょう!

小川糸さんの【つるかめ助産院】

ひとりの女性が南国の助産院で、
過去のツラい思いを乗り越えて、
助産院の仲間や島のひとたち、
お腹で育つ赤ちゃんと未来へ歩き出す一冊!

「こうやってぼくも生まれてきたんだなぁ…」

出産したら人生が変わるってよく耳にするけど、
この本を読んだぼくも生まれ変わったような気分です!

南の島におり立った女性はなぜ来たのか、
どんな過去があったのか、
助産院で暮らすなかでどういう風に変わっていくのか。

この小説で感じたこと、
ネタバレを含みつつご紹介していきたいと思います。

男性諸君も必見です!w

こんなひとにオススメ

  • ツラい幼少時代を過ごしていた
  • 抱えてる心の傷の癒し方を探してる
  • 南の島ののんびりした雰囲気が好き
  • 妊娠から出産の過程をみてみたい!

あらすじ

夫が突然、なにも言わずに姿を消した。連絡手段もなく、二人の思い出の地から探しはじめることにした小野寺まりあ。そこはハートの形をした南の島だった。その地で、妊娠してるのが発覚。ツラい過去があるせいで、産み育てることに自信がもてない…。しかし、助産院の先生、スタッフ、島のひとたちとふれあうなかで、彼女の心にささった心のトゲが抜けていき、気持ちも次第に変化する。ハートフルな登場人物と、ありのままを描いた出産までの物語に感動!

登場人物の紹介!

まずはじめに、
主な登場人物のご紹介から。

つるかめ助産院の登場人物
  • まりあ・・・夫の小野寺君を追いかけに、二人の思い出の地にやってきた(妊娠六週目)
  • 小野寺君・・・まりあの夫。消息不明
  • 鶴田亀子つるたかめこ・・・つるかめ助産院の院長
  • パクチー嬢・・・ベトナムから来てる研修生。暗い過去がある。
  • サミー・・・世界一周旅行の予定中。ボランティアスタッフ。
  • エミリー・・・ベテランのお産婆さん。
  • 長老・・・島でいちばんの海の男。ボランティアスタッフ。
  • 艶子つやこ・・・ガリガリの妊婦?
  • ハジメ・・・ラーメン屋「パーラーさすらい」店主

南の島を舞台にしていますが、
このメンバーのなかで島のひとは長老とエミリーだけ。

他のひとは本州のひとがメイン!
ガッツリ方言っていうのもなくて
読みやすかったです(笑)

パクチー嬢も日本語ペラペラ設定だからご安心を。

ほっこりする

まりあは夫の小野寺君を探しにはるばる南の島にやってきます。
彼の姿を探すも見つからなくて、島から出発しようとするも天候不良で欠航。
なんといっても一日一往復船便しか、
島と本土を結ぶ交通手段がない...

困り果てたまりあに声をかけたのは、
つるかめ助産院の先生・つるかめ先生。
結局三日間も船が出航せず、
助産院でお世話になったまりあ。
その間になんと妊娠してることが発覚した!

彼女は産まれてすぐに捨てられて、
小学四年生のころに里親に引きとられたものの、
心のシャッターは閉じてしまって、
産む決断がすぐにはできなかった。

でも……

助産院のメンバーや島のひとたち、
お腹に感じる我が子の命にふれながら、
徐々に心のドアを開きはじめます。

過去といま。

家族のことで傷を抱えているまりあに、
こんなことばが同じ悩みを抱えるパクチー嬢から伝えられます。

家族って絆にもなるけど、一歩間違うと呪縛よね。だけどその分、血のつながらない心の兄弟や姉妹に出会えるの。

そして成長するなかで、
まりあはこう気づきます。

どこまでも孤独で、だからこそ、人と触れあったり助けあったりすることに喜びを見出せるのだ。

大事なのは、
家族っていう枠組みじゃなくて、
そこにいる周りのひとたちと、
助けあいふれあいながら生きていくっていうことですかね?

そしてこんな名言も……

人生で一番悲しいことってあるでしょう?それを話せるってことが、その人を愛している証拠なの。

たしかに。

楽しいことばかりじゃなくて、
悲しいことも包みこめないと、
家族でも、友だちでも、恋人でも、
長い人生一緒にいられないですよね?

お母さんって偉大!

十月十日。

お腹に命を宿し、
痛いお産を乗り越えて、
がんばるお母さんってやっぱり偉大だなぁって思いました!

出産のシーンは特に、
獣になったり、
泣いたり…。

エネルギーが文字からすごく伝わってきました!

読んでると、
まりあのなかに芽生えてくる母性を感じると、
すごくジーンときました(笑)

喜んでいるとか、笑っているとか、眠たいのかもしれないとか、夢をみているのかなとか。こんなふうに自分の子供と四六時中一緒にいられるなんて、なんて贅沢なのだろう。

最初は、
産むかどうかで悩んでいたり、
母親からの愛情を知らないと不安がってた彼女も、
母親としての一歩を踏み出したように感じました。

死産、堕胎、想像妊娠。

悲しい出産もあるけれど、
それを含めてすべて出産。

ありのままが伝わってきて、すごく感情が揺さぶられます!

おわりに

南の島っていう舞台がすごくいいですよね~w

テレビもないところだと、
そこにいる周りのひとたちや、
自分自身と向きあわなくちゃいけないから、
精神的にも強く、タフになりそう!

ゆったりとした雰囲気と、
生と死がまじりあう物語。

じんわりと感動しました!

寂しさをちょっとだけ、
心の温もりもちょっとだけ、
この一冊を読んでチャージできたような気がします(笑)

明日からも、
生まれ変わった気分でいきましょう!

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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