「大切にしたい…」壊れかけた家族を再生するために奮闘!森沢明夫【雨上がりの川】

家族小説

家族の関係ってホント大変ですよね?

家族といると傷つくこともあれば、
その反対に救われることもある。
そして、原因はたいてい“ことば”だったりする。

そう。
ことばは武器にも薬にもなる。

今回紹介するのは、
森沢明夫さんの【雨上がりの川】
ことばのプロの作家さんが描く、
家族の再生物語

学校でのいじめ、
職場の人間関係、
家族のひずみ。

みんなの問題は家族がの問題。

これを読んで、
「家族のつながりを大切にしたい!」って
そう思えることばに出会いました。

こんなひとにオススメ

  • 家族のことが大好きなひと
  • 人間関係に悩んでるひと
  • 雨がテーマの作品が読みたいひと

あらすじ

雑誌編集者の川合淳は妻の杏子きょうこと娘の春香の三人暮らし。平凡だけど幸せな生活の日々が、ある日突然に暗雲が立ちこめた。それは、春香が学校でいじめをうけていたから。しっかり者の杏子は、怪しげな霊能力者に洗脳されるようになり、次第に春香も巻き込まれていく。淳は、仲良くなった元心理学教授に相談するも、家族の問題はいっこうに改善されず。壊れはじめる家族のつながりを、再びもとのカタチに戻すことはできるのか?!

たいせつな家族

いじめられた娘の春香のことも、
怪しげな霊能力者に洗脳された杏子のことも、
一緒に問題を解決しようとする淳。

読んでると、

「家族っていいなぁ~」

って思います。
まぁ崩壊寸前の家族なんですけどw

でも家族を含めて、
人間関係ってむずかしいですよね?
“いじめ”と関連づけて考えても、
関係が決まってしまったあとに改善するのは簡単じゃないことばかり。

ただ...

紫陽花あじさいと人間を絡めて、こんなエピソードが小説に出てきます。

「紫陽花は置かれた環境によって色を変えるから、それが人間のようで親しみ深い」

その後、
ビジネスでも同様に
ニーズや環境を的確に判断することも大事だよねー、って話はつづきます。
そして、さらにこう続きます。

環境に合わせるのもいいが、環境を変えることだってできる

これと同じように、
人間関係、家族、いじめも考えてみてもいいかもしれません。
ある程度は、自分の意思をしっかりと持ちながら、
でも、環境やそこにいるひとにも柔軟に合わせてみる。

それでも改善されずなにも変わらないんだったら、

思い切って環境ごとガラッと変えてみることもいいですよね?

逃げるってことではなくて、
純粋に環境を変えてあげるだけ。

家族がその問題の原点だと話は変わるかもですが、
いつでも家族はきっと味方になって支えてくれるはず。
普段は忘れちゃいそうだけど家族はかけがえないことですよねw

家族の大切さが読んで身にしみる小説、
こちらの【ぼくたちの家族】もオススメです!

グッとくる名言

このブログで頻繫に紹介している森沢さんの小説。

彼の書く小説が好きでよく読むんです。
その好きな理由は、大きく二つあるんです。

  • グッとくる名言が目白押し
  • やさしい気持ちになれる描写

今回の小説でも、
そんな名言があったので紹介します!
※ネタバレに若干なっちゃうので、苦手な方は読み終わってから帰ってきてくれるとありがたいです。好きなセリフが一緒だったらめっちゃうれしいやろうし(笑)

特にグッときた名言二つをシェア!

まずひとつ目。
「大丈夫?」「本当に?」「大丈夫?」って聞かれて、
いぶかしげながらもその質問に春香は「大丈夫」って答えます。

そしてこんなことばがかけられます。

「これで言葉のパワーがばっちり働いてくれるから。もう、これから先は、何があっても大丈夫な人生になっちゃうよ。」

グッとくる名言じゃないですか?
鼻の奥がツーンときて、ウルウルしちゃいましたw

そして、

傷ついてるひと、
ちょっと悩みや不安を抱えてるひと、
周りにそんなひとがいたら、
このことばをかけてあげたいな!と思って、
心のメモにちゃんと書いておきました(笑)

ふたつ目はこちら。

「人を傷つける人は、自分の心が傷ついている可哀想な人。人を騙す人は、人に騙されて世界を信頼できなくなった淋しい人。」

上から目線でみるのはしないけど、
他人をおもんぱかってやさしい気持ちでこう思えたら、
きっとステキなことだろうな、と思った名言でした。

これ以外にもたくさんあるだろうけど、
あなた自身がグッとくるかは読んでみないと分かりません!

そして、
森沢作品だと、
個人的にはこの【大事なことほど小声でささやく】
名言との遭遇率が高めです!

おわりに

虹の岬の喫茶店】【キッチン風見鶏】につづき
今回も「スピッツ」が登場しました!

曲名は出てこなかったけど、
淳が好きっていう設定で、
娘の春香にアルバムを貸す描写がありました。

みたしば
みたしば

森沢さんって「スピッツ」のファンなの?w

その反対に、
春香が淳に貸した音楽は「RAD WIMPS」のCD。
そのなかで、「ヒキコモリロリン」という楽曲のタイトルが出てきます。
ファンとしては小説内に、曲が出てくるのはうれしいですよねw

話は変わりますが、

今回の霊能力者のクダリは、
若干のうさん臭さを感じました...
占いに興味はないし、
霊能力者に苦手意識もあるし。

【キッチン風見鶏】でも、
霊能力者は登場するのに、
なぜかそんな風に感じなかったんですよね。

なんでだろ?

ホンモノとニセモノの違いかな?

これがなければ、
もっともっと読後感は爽快だったろうなぁって思います。

でもこの小説は、
家族の大切さを思い出させてくれる一冊だと思います!
現実世界は梅雨明けしてしまったけど、
小説には雨のシーンがいっぱい出てきます。
はたして、「雨上がり」はどういう意味なのか?
それは読んでからのお楽しみ!

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

この本を読んだひとはこちらもオススメです。
キッチン風見鶏(森沢明夫)
ミナトホテルの裏庭には(寺地はるな)
コンビニ人間(村山沙耶香)

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