森沢明夫さんの小説といえば、
映画化にもなった【虹の岬の喫茶店】、
青森三部作とも言われる【ライアの祈り】【津軽百年食堂】【青森ドロップキッカーズ】、
名言づくしで泣けると評判の【大事なことほど小声でささやく】でしょうか?
でもまだまだあります!
というかどれもこれも素晴らしい!!( ̄▽ ̄;)
心にしみる名言が、
今回紹介する【キッチン風見鶏】にも
たっくさん出てきます。
「幽霊なんて信じない??」
いいえ、この小説のなかにはちゃんといますw
こんなひとにオススメ!
- 森沢作品が好きなひと
- 料理を作るのが好きなひと
- 未来に希望が持てないひと
- 夢に挫折しちゃいそうなひと
- ひとと違うことに自信が持てないひと
- スピッツのファンのひと
あらすじ
漫画家志望の幽霊が見えちゃう青年。お店に来るお客さんにあわせて味や食器をかえるシェフ。シングルファーザーのシェフに気がある常連客。雑誌で特集がくまれるほど人気の外さないことで評判の占い師。港町の上にたつ、動かない風見鶏が目印のレストラン「キッチン風見鶏」を舞台に、それぞれの想いをつむぐひとつの物語。
森沢作品=名言×涙
【キッチン風見鶏】っていうタイトル、
そして舞台もレストランっていうことで
お料理小説なのかと思って読み進めました。
でも...
ちょっと違うかも。
もちろんいい意味で!w
キッチン風見鶏名物の熟成肉、
ランチメニューの炙りサーモンとアボガド丼、
隠れメニューになってるカレーライス、
おいしそうな料理は出てきますが、
メインではない印象をうけました。
それよりも、
幽霊が見えてひとと違うことで悩む青年、
三代目として店を継いだけど自身が持てないシェフ、
そんな一歩踏み出す勇気が持てないひとたちが、
成長していく姿がありありと描かれています。
なので、
そんな姿に勇気をもらえる感動小説?
なのかもしれません(笑)
成長していく過程で、
名言がちりばめられてます!
そういうところが森沢作品の特徴のひとつですよねーw
「自分の人生は、自分が創る」
選択肢がいくつもあるなかで、
悩んでるひとがきっと勇気をもてることば。
結局、最後は自分次第。
人生は自分が創っていくものだから、
自分の好きなように彩ある人生になるようにすればいいんだよ、
そう思える名言じゃないでしょうか?
「肩の力を抜いて、鼻歌でも唄いながら、のびのび自由な気持ちでさ。そしたら、自信があってもなくても、そこそこ楽しめると思うよ。」
これもステキな名言ですよね!
悩んでるときに思い出したらきっとパワーが湧いてきそう。
肝心なときに忘れちゃった...ってことにならないように、心のノートにメモメモw
特別な存在
幽霊が見えることでいじめられた過去がある青年。
そんな自分と周りが違うことが、
あまり肯定的に受け止めることができなかった。
だけど、
そんな青年もある女性と出会うことで、
考え方が180度変われたんです。
みんな違ってそれでいい。
そう思って、
地獄のような孤独な世界から抜け出せた、
未来にも希望を持てるようになったんです!
もう、
青年に感情移入しちゃうと、
涙腺崩壊しちゃいますw
他の作品ともリンクする
海のさびれた公園にブランコがあって、それに乗るときいこきいこって音が鳴る。
これと同じシチュエーションが登場するのが、
【エミリの小さな包丁】です。
それのあとがきにも、
心平とエミリが夜に行った海辺の寂れた公園も、いくつかの他作品で重要な舞台となっていますので、よかったらそのシーンを探してみてくださいね。
って書いてありました!
この【キッチン風見鶏】以外にも出てくるってことでしょうか?w
そして、スピッツ!
【虹の岬の喫茶店】では、「春の歌」が出てきます。
今回の小説ではなんと二曲も登場します!
それは、「若葉」と「空も飛べるはず」です。
本の内容とも絶妙にマッチしていて気分があがります。
本を読みながら、
音楽を聴きながら、
楽しんじゃってください!
おわりに
幽霊が見える漫画家志望の青年が、
どんな漫画家になりたいか聞かれたときに、
こう答えたんです。
「ぼくが目指していたのは、傷ついた誰かの癒しになるような、そういう作品を描ける漫画家です」
これって、
森沢さんがイメージしてる理想の小説家像なんかな...
って想像しながら読みました。
だってぼくは、
傷ついたときでも森沢さんの小説を読めば、
自然に癒された気分になっちゃいますもん(笑)
あなたもそうじゃないですか?

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
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