おいしい料理って、
それだけで幸せな気分になりますよね?
料理小説ならば、
そんなおいしそうな料理がたくさん出てきて、
幸せな気持ちのおすそ分けがいっぱいもらえちゃいますw
ただ...
料理っておいしく食べるだけじゃなくて、
ちゃんと感謝することも忘れちゃいけませんよね?
この小説【食堂かたつむり】では、
食べものへの感謝することを改めて考えさせてくれる、
そんな優しい一冊です。
動物から命をいただくこと、
野菜を育ててくれる生産者のこと、
料理を作ってくれるひとのこと、
彼らに対する感謝の気持ちを考えるきっかけになる物語です。
食べものがあるということは当たり前じゃないこと、
堅苦しく思わない範囲で、小説を読みながら改めて考えてみませんか?
この本を読むのにおすすめなひと
こんなひとにおすすめ
- 料理小説がすきなひと
- 小川糸さんの小説に興味があるひと
- 映画化になった小説を読みたいひと
あらすじ
恋人のインド人と都会で二人暮らしをしていた倫子。アルバイトを終えて帰ってみると、そのアパートはもぬけの殻だった。突然すぎるできごとに半ば放心状態。積みあげてきた思い出、大切にしてきた家財道具や調理器具、すべてきれいになくなっていた。ショックのあまり声も失ってしまった倫子に残されたのは、祖母の形見のぬか床だけ。所持金も財産もまるごと消えてしまった倫子は、かつて捨て去ったふるさとに戻ることにした。そして、残されたもう一つの武器「料理の知識」をもって、食堂かたつむりをオープンさせた。じんわりと料理のやさしい香りに包まれるような心温まる物語。

どんな本なの?
この本は、
忘れがちな食べものへの感謝の気持ちを改めて考えさせてくれる一冊です。
鶏、鳩、豚などをしめることを倫子は体験します。
そして野菜やその生産者、料理を作ってくれるひと、
いろいろなモノやひとに触れていきます。
それを彼女が自分自身で味わって
しっかりとかみ締めながら、
ちゃんと心を込めて調理する姿を
本を通して見つめてるうちに、
次第に読者のわたしたちも考えさせられていきます。
目をそむけたくなるような屠殺のシーンは、
なおさら食べもののありがたみが胸にしみます。
※屠殺・・・鶏や豚などの家畜動物を食べる肉のためにころすこと。
これだけだと重たいだけの小説だと思っちゃいますが、
小川さんの文体でやさしい気持ちにもしてくれます!
恋をしてる女の子に料理をだしたあとに、こんなすてきな文章で彩られてます。
恋をかなえるために派遣された妖精みたい
なんだか癒されてしましませんか?
ちゃんと考えることは大事だけど、
そのことばかりにとらわれて気持ちが沈んじゃうのもいけないですからね。
適度にリラックスすることも忘れずに小説を楽しみましょう!
ご飯のときに必ず「いただきます」を忘れない、
こちらの小説もおすすめです↓
料理がおいしそう!
逃げださずにありのままの料理の裏側と向きあったあとは、
おいしそうな料理の描写も楽しみましょう!

ザクロカレー、
ワイワイ丼、
ジュテームスープ、
ドーナツ。
どれも思わずよだれがでちゃう一品たち。
“食堂”っていう看板のわりに、
全部スタイリッシュで地味な料理がでてこない。
だから読んでても一向にあきません!
なんといっても「食べたら奇跡が起きる料理」ですからね!w
読んだあなたにも奇跡が起きるかもしれません。

ねぇつぶお。
これ読んだら実際に作りたくなっちゃったよ(-_-;)

たしかに作りたくなっちゃうよねw
そんなひとにはこちらがおすすめ!
その名も【食堂かたつむりの料理】です!
小説にでてくる料理のすべてのレシピがのってるわけではないですが、こちらでトライしてみてください!
おわりに
普段手にとる、
キラキラ輝く料理小説とはひと味違った一冊でした。
でも、食べものに対する感謝の気持ちを考えるきっかけには、とても役立つ本です!
そして個人的な感想ですが、
一見やさしい表紙に惑わされますが、
結構ダイレクトに胸に響く描写もあったのが予想外でしたw



最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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