きらめくように恋したり、
後悔しないようにひとりになることを選んだり。
いろんな感情が揺さぶられて、いっぱい泣きました。
一冊の小説をよんでたはずなのに、一本の映画を見ていたようなあっというまのひとときでした。
※ネタバレ部分があるので本書を読んでない方はご注意ください!
あらすじ
余命は10年。宝くじに当たる確率よりも低いといわれるほどの珍しい病気になってしまった二十歳の高林茉莉。残された人生のなかで、後悔しないように生きるためにいくつものものを捨てた。夢や友達、ひとのことを好きになる気持ち。テレビしか交わることのできなかった入院生活中、仮想の世界のアニメだけが救いだと感じることができた。それからは、真っ白だった日常が彩りをもつようになり、外の世界にも一歩踏み出していく。タイムリミットが限られた人生で、後悔しないように『ありがとう、ごめんね、好きです。』を大切なひとに想いを伝える。
レビュー
本の満足度 ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★
ウルウル度 ★★★★★
大満足の一冊でした。
このブログと並行して読んだ本の感想をあげてるTwitter(@tsubuo_book)で、フォローしてるひとが読んで「おもしろかったよー」って呟いてるのをみたのがきっかけで読みました。
この本を読んでみて
余命10年。
タイトル通りに、十年間を生き抜いて、主人公の茉莉ちゃんは死んじゃいます。
→いきなりのネタバレからのスタートすみません(◎_◎;)
でも、この部分について触れない限りはなにもかけない、と思っていっちゃいました。
はじめて手にとって読んだ作家さんでしたが、
この小説が大好きになりました!レビューでもまるわかりですよね(笑)
個人的に、この小説が好きなポイントが3つあります。
- 主人公の個性
- 恋愛のときめき部分
- セリフの多さ
これだけだと伝わらないと思うんで、それぞれピックアップしてご紹介していきますね!
主人公の個性
ギュッと魅力たっぷりな茉莉の人柄、
そして個性にひきこまれました。
病気になってしまったところから話は始まりますが、
挫けてメソメソせず表面上だけでも明るくふるまうところ。
才色兼備でパーフェクトな姉をもっても卑屈にならないところ。
勇気をもって「ごめんね」を伝えにいくところ。
新しい、アニメのコスプレの世界にも一歩踏み出す勇気があるところ。
その全部が主人公の茉莉を輝かしてくれてるような描かれかたで、読んでるうちに好きになっちゃいます!w
恋愛のときめき部分
10年間しか残されていない寿命で、
恋愛にはおよび腰だった茉莉。
一途な和人とのやりとりには、すごくキュンキュンしちゃいました。
恋がはじまるのかはじまらないのか微妙な時期も、繊細に描かれてて本当に最高でした(笑)
付き合ってからの展開には涙なしでは読めなかったほどでした……。
ぼくならどうしてただろう?
正解ってあるのかな?って読み終えて考え続けても、全く見つかりません。
でも、好きになったひとのことは、なにがなんでも大切にしよう、手を離さないでおこうって思いました。
セリフの多さ
ほんとに“映画を読んでる”感覚でした。
セリフは多いけど、ストーリー上で無駄に感じない、邪魔にならないような絶妙なバランスでした。
読めばきっと、ズンズンのめり込んじゃいますよw
一括りごとのさいごに添えられる太字の文章の部分には、
毎回胸にグサッと響くものばかりでした。
なんとなくですが、この太字の部分の文章は、10年間書きとめた日記だと思っちゃってます。
最後は焼却炉で燃やしてしまって家族の手元には残らなかったけど、読者のぼくたちは読めたってことでしょうか。
おわりに
後半からは泣きまくりでした。
ツラい闘病生活も、好きなひとや家族を想い続ける描写も、はかなげで涙を流さずにはいられません。
そして、最後の最後、巻末の著者のプロフィールを見た瞬間、ぼくはまた号泣しました。
茉莉はどんな病気だったかは明かされていません。
病気がどのように判明したのかもわかりません。
病気になる前のことも、ストーリー上で要所要所紹介されていても、細かいところはわかりません。
過去をとっぱらって、
限られた10年間という今と未来を生きる少女の物語なんだと解釈しました。
不治の病。余命を宣告されてしまったけど、人生をあきらめるのではなく、
本当に一生懸命生きた姿だったと思います。
そんな茉莉の生き方だったからこそ、
読んでいて感動したんだと思います。
心を揺さぶられたり、
涙を流したり、
それが必要なタイミングもあると思います。
読書はひとりの時間ですが、だれかとつながってる感覚を味わいたい方は読んでみてください。
今回紹介した【余命10年】はこちら↓
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