【感想】発現(阿部智里) 暗闇で見えないものが見えるって、恐怖でしかないですよね?

ホラー小説

Kindleで読み放題であったので、大好きな阿部智里さんの小説なので読んでみました!

あらすじ

現代の平成30年と、少し昔にさかのぼった昭和40年の2つの時代を交錯する物語。不可解なことが起こり始めて、真実を追い求めていくうちに浮かび上がる奇妙な共通点。それは「少女」と「彼岸花」の2つ。真実にたどり着いたとき、この結末にあなたは納得できるだろうか...?

レビュー

本の満足度   ★★★★☆
おすすめ度   ★★★☆☆
ドキドキ度   ★★★★☆

阿部節

阿部智里さんが大好きすぎて、手に取った本ですw
大好きといっても、読んだことがあるのは【烏に単衣は似合わない】の八咫烏シリーズだけだったんですけどね( ´∀` )それ自体は、壮大なファンタジー小説だから、現代を扱ってる小説がどのくらい面白いのか興味津々で読みました!!!!

もう、序盤から引き込まれるように読み進んじゃいました!

阿部さんの小説って(まだ全然読んだ本は数少ないですけどw)、なんか表現方法にくどさがない割にたくさんのことばが使われていて想像力が豊かになるんですよね。もう少し詳しく言うと、形容詞とかがいっぱい文章に使われているのに、それでも邪魔されてない感じ?伝わりづらいですかね(◎_◎;)
例えばこの【発現】でいうと、
エレベーターの扉のことを「塗料のはげかけた銀色の扉」って表現したり、
やせ細った登場人物の見た目も「骸骨に皮を貼り付けたかのように頬がこけ」って表現したり、
そこにいるひとの体調や見た目、物の質感や年季の具合も容易に想像できる感じがしませんか?
→それが出来てこそ作家さんって感じはしますけどw

この本を読んでみて

平成と昭和の時代を一冊の本のなかで駆け巡ってるので、頭の処理スピードが追い付かなることもしばしば……。

物語が進むうちに、
推理小説でも推理が苦手なぼくでも真実の片鱗みたいなものが見えてくるんです。
どんどん内容的にも、狂気に支配されて行って、段々と心臓の鼓動がバクバク激しくなっちゃいます(◎_◎;)...ホラーでも優しい部類に入るでしょうが、苦手なひとは読めない選択肢もアリかもw

昭和の時代のところでは、戦争時代のことも語られている部分もありました。
戦争を生き抜いたひとの貴重な体験、そのひと達が見たであろう景色を小説を通して体験できたのはよかったのかもしれません。読んでるだけでも、戦争っていやな感じがしちゃいました。

もちろん目を背けちゃいけないですけどね!

おわりに

ほんとのことを言うと、期待値が高かったぶん、物足りなく感じちゃいました。
何度も言っちゃいますが、阿部さんの『八咫烏シリーズ』がすごく好きなんですよねw
壮大なファンタジー世界の中に、細かく設定された人物や世界観、緻密な文章や言葉選び、もう完璧すぎて#名刺代わりの小説10選にも不動でランクインしてしまうぐらい好きなんです!

その圧倒的なものを期待して読んだので、ちょっぴりがっかりしました。それでも、充分に読んでよかったと思える一冊です。

普段読みなれないホラー小説の要素があったから、その部分で苦手意識もあったのかもしれません( ̄▽ ̄;)気にしないひとだと、もっと楽しめるかもしれません!

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