【感想】東京カウガール(小路幸也) 恋したから知りたくなるのか、知りたくなった人だから恋をしたのか。

ミステリー小説

Kindle unlimitedであったので、大好きな小路幸也さんに惹かれて読んじゃいました!w

あらすじ

恵比寿にあった『木下写真館』。二代にわたって営まれていた写真館も、三代目にわたることなくあえなく閉店。しかし、未来の三代目だった一人息子の英志の手元には、しっかりとカメラが残された。そのカメラで撮影したあることをきっかけに、彼の大学最後の年が思いもよらない方向に動き出す。

レビュー

本の満足度   ★★★☆☆
おすすめ度   ★★★☆☆
ワクワク度   ★★★★☆

カウガール

まずタイトルの【東京カウガール】って聞いて何をイメージしますか?


正直言って、パッとひらめくことってできないですよね?w
東京は東京のことを指しているんだろうけど、カウボーイは牧場で働くアメリカの早打ちガンマンのイメージ。それか、ロデオに乗る女性版ってのがカウガールってことなの?って気になりながらこの本を手に取りました。
→全く、東京とカウガールが脳内で結びつかなかったので興味がわいたのかもしれないですw

まあ、本編の五分の一ぐらいまで読み進めると、この『カウガール』の意味が明かされるので、気になった方は読んでみてください!じらしてるわけじゃないんですが、ネタバレになるのもいけないので( ´∀` )

考えることって

この本を読んで想定外だったのが『推理系のミステリー』要素があったことでした!

なぜかというと、
いままで読んできた小路幸也さんの作品はどれもホッコリ系で、そんなのあんまり感じさせないものばかりだったからです。
【ラプソディ・イン・ラブ】PHP文芸文庫
【キシャツー】河出文庫
【ピースメーカー】ポプラ文庫
【荻窪シェアハウス】新潮文庫
【東京ピーターパン】角川文庫
などなど。
今回もやさしい文体ではありますが、方向性としてなんか意外でした( ̄▽ ̄;)

話は変わりますが、
最近、今シーズンでやってるドラマ【ドラゴン桜】を観てるんです。→めっちゃ突然ですみませんw
やっぱり昔の初期みたいに面白くて、勉強法とかもなるほどなぁって思いながら観てるんですが、とくに「考えろ!」っていう桜木先生のセリフが好きなんです!!

この小説でも主人公と一緒に考えながら、
「どうして?」っていう疑問ととことん向き合い突き詰めていく、考えることの大切さを改めて追求することができる一冊だと思います。

この本を読んでみて

一番ズシーンときたのが、

『恋人同士っていうのは、一生恋をし続けているのがいちばん良いの。―(中略)―夫婦になって子供ができて孫ができても、ずっとずっとお互いに恋をしている状態でいるのが、理想なのよ。』

ってとこでした。
てっきり、これを読むまでは恋から『愛』に到達するのが、恋人とかカップルのゴールだと思っていたんです。でも、たしかに恋を一生したままでいられる方がいちばんなのかなって思っちゃいましたw

恋の不完全さと、愛の確かさ。

両方ともバランスが大事ってことですかね?
→なんかうまいこと言えないですが、ちゃんと伝わってますか?w
ていうか、主人公の英志のバランス感覚が異常に思えるぐらい神レベルに感じてしまって、自分自身がすごくちっぽけに思えてきます(;・∀・)


英志つながりで言うと、ひとつ気になったことがあって、
果たして英志は、
いつから好きになったのか、
ほんとに一目惚れなのか、
もっともっと知りたいって思い続けていたから好きになったのかってことです。

好きだからこそ、危ない橋を渡ってまで協力したのか。それとも、吊り橋効果みたいに、危険と隣り合わせになっているうちに好きに移り変わっていったのか。

本編でも多少は描かれてはいますが、パッとしなくて、疑問を抱えたまま読み終わっちゃいました。
読んだよーって方がいればご意見お待ちしています!

おわりに

結末は......言えないですが、なんだか釈然としないかもしれないです。


散々と盛り上げておいて、
考えに考えさせておいて、
ツー―っと終わったのが物悲しいっていうのが、ぼく個人の意見です。

途中まではワクワクしっぱなしで読んでいて、終わらないでほしいって思いながら読んでいました。→皆さんもそう思ったりする本あります?
もちろん、この本を読んでみて、こういう終わりだからいいじゃん!って言うひともいるかもしれませんが、個人的に好きな終わり方じゃなかったので、星は低めにしちゃいました(´;ω;`)

レビューは低くしてしまいましたが、この小説で登場する英志たちのことは、ずっと応援したいなぁって思えます!→もう親戚のおじさん目線!wまさに気持ちは英志の(ゲイの)繁おじさんです( ´∀` )
推理系でしたが、いい意味で小路幸也さんらしさ全開でした!

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