「これって自分の話?」錯覚しちゃうほど重なる部分が多すぎる!柚木麻子【終点のあの子】感想とネタバレ

青春小説

あなたの学生時代ってどんな子でしたか?
※現在進行形で学生の方は、どんな子でしょうか?

  • 真面目で勉強に力を入れている
  • 体育の授業では輝ける
  • 毎日寝坊して遅刻しちゃう
  • 気になる子に想いを伝えられない
  • 下ばかり見て顔を上げられない

学校のなかには、
たくさんのタイプがいると思います。

今回紹介するのは、
柚木麻子さんの【終点のあの子】という本。
プロテスタント系の女子高が舞台の設定ですが、
「こんな子いそうやなぁ・・・」って思いましたし、
「こんな風に感じてたな」って男のぼくも共感できる部分もいっぱいありました!

ほんとに「えっ?これって自分の話?!」って
思わず錯覚しちゃうほどでしたw

読み終わった今、
学校生活が懐かしく思えて、
卒業アルバムを見返したい気分に浸っています(笑)
→実家に住んでたら見てたやろなぁ

こんなひとにオススメ

【終点のあの子】を読むのにおすすめなひと

  • 友だちと遊んでても突然疎外感を感じてしまう
  • 自分に自信がもてなくて周りに流されてしまいがち
  • ひとと違うことが個性や自分らしさだと思っている
  • 自分のことを変えられるきっかけを探している

あらすじ

世田谷にあるプロテスタント系の女子高に通う立花希代子きよこは、中学校から上がってきた内部生。自由奔放でどこのグループにも属さない、高校から入ってきた朱里あかりに心ときめかせる。次第に仲良くなるふたりだったが、あることがきっかけで距離ができてしまう。学生時代を鮮明に書きおこされた連作短編集。

女子高生の悩みや葛藤がリアル?!

正直言うとぼくは男なので、
断定的に「リアルだ!」ってことは言えないです……。

でも、

悩みの原因や理由に関しては、
男女でそこまで違ってないですよね?
例えば、

  • 些細なことでケンカしても素直に謝れない
  • ちょっとしたことでも裏切られたと感じてしまう
  • 友だちの悪口を共有して一体感を感じる

こんなこと感じたことありませんか?

そういう学生のころに感じるひとつひとつが、
リアル感たっぷりに描かれています。
なので、「あれ?これって自分も思ってた!」
って共感できるところも多々ありました。

どこがいちばん共感できたかというと、

憧れや好きの感情のなかにも、
どこかに妬みも同居させてるって部分。

「あんな子になりたいなぁ」と思うと同時に、
「どうせ自由に遊べるのも金持ちだからだよ」って思ったり。

こういう部分ではすごく共感度の高い一冊でした!

でも、
そんな暗い面ばっかりだと読んでてツラくなっちゃいますが、
その心のダークな部分も変化していくので、
読んでて面白いなぁって感じることもできました!!

心の成長が読んでたらオモシロイ!

好きや、憧れの気持ちと同じくらいの
負の感情を抱いてる女の子たち。

そのひとつひとつに、
折り合いをしっかりつけて成長していくのが、
読んでて「面白い!」って感じました。

真正面からぶつかりあって、
「こういうことはやめてほしい」
「わたしはこんな風に感じてた」

ってことを伝え合うことはなく、
友だちじゃなくなってしまった希代子と朱里たち。

そんなふたりだけど、
相手のことを想像して
自分を変えていこうと一歩踏みだしていきます

自分自身の体験も重ねてみて、

希代子たちの心の成長の過程は、
純粋にすごいなぁと読んでて感じました。

ちゃんと救いも用意されてる(ネタバレ有り)

これはネタバレになっちゃうかもなんで、
苦手なひとは次のオレンジの線までスキップしちゃってくださいw


仲たがいをしたり、
無視をしたりして、
ダークな部分も多い印象のこの本ですが、
最終的には一筋の光が見えるカタチで
それぞれの短編が締められてるのが良かったと思います。

自分に自信がもてなくて周りに流されがちだった子。

周りの子たちを巻き込んで仲良くなった子をいじめてしまった子。

せっかく素の自分をうけいれたのにそれを手放してしまった子。

空気を読んだり周りのペースに合わせなくて孤独を感じてた子。

それぞれが、
最終的に希望が持てるように締めくくられてて、
「あー良かったね、大変だったね、がんばったね」
って声をかけてあげたくなる感じですw

ツラいこときついことは、
現実世界ではずっと続いていくかもしれませんが、
小説のなかだけでも希望が見えるカタチで締められてるのは
なんか読んでてスッキリしました!


おわりに

誰もが一度はとおる学生時代の
あんなことやこんなこと。

難しく感じさせない文体と、
情景のリアルさが絶妙にマッチして、
すごくスラスラ読めちゃう一冊になってました!

そして、

きっかけをつかめばひとは変われる。

そのチャンスを自分のものにするかどうかが分かれ目だなぁと感じられた本でもありました!

読んだら、
キライなひとやツラい過去を思い出しちゃうかもしれません。


でも、
そうだとしても、
登場人物たちと一緒に、
勇気ある一歩を踏み出してみませんか?

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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