「584ページ‼」読書の楽しさの醍醐味を感じられる一冊!柚木麻子【BUTTER】あらすじとネタバレ

小説

こんばんは!

読書大好き人間BOOKBOYこと、
つぶお(@tsubuo_book)です。

最近Twitterでよく見る、
柚木麻子さんのBUTTERバター
たくさんのひとの読了ツイートを見て、
読みたい欲がとまらなくなり、
読んでみました!

読んだ感想はというと、「長い……。」

文庫本だと584ページもありました。
バターをたくさん使った料理があって、
おいしい料理小説の面はありますが、
メインとなってくるのは、

「連続不審死事件」の被告人の、
生い立ちや過去、そして罪を犯したのかということ。

被告人はほんとうに殺したのか。

一進一退。
堂々巡りのように真実が見え隠れする部分は長く、
ツラく感じられました。

でも、

くりかえされる描写のなかに、
この物語で柚木さんが訴えたかった本質、

  • 容姿に関するマウンティング
  • 家庭の男性優位思想

とかが含まれてるのかなぁと思いました。

たしかに584ページ。
正直言うと長かったです。
ズッシリと読み応えのある一冊。

だけど、

長いからこそじっくり考えることができる。
読書の楽しさの醍醐味を感じられる本でした!

こんなひとにオススメ

【BUTTER】を読むのにおすすめなひと

  • 朝昼晩ずっと読書に没頭したい
  • ズッシリ感のある小説が読みたい
  • バターを使った料理が大好き

あらすじ

首都圏で起きた不可解な三人の男の連続死亡事件。その男たちは生前、ひとりの女・梶井真奈子かじいまなこ(カジマナ)と婚活サイトで知り合っていた。彼らの財産を奪い、そして殺していたのか―――この事件が世間から注目された理由は、梶井が若くもなく美人でもなくぽっちゃりとした女だったから。将来は女性初のデスクとして期待されてる週刊誌記者の町田里佳まちだりかは、梶井に取材の申し込みをする。果たして、梶井と接触したのは、里佳にとって吉となるか凶となるか。人生の歯車が動きだす!

里佳がカジマナに影響されて変化していくのがオモシロイ

殺人事件の被告人・梶井真奈子に取材を申し込んで、
面会することができた里佳。

梶井は、
取材を受けることを了承する前に、
里佳にいくつもの条件を突きつけます。

里佳に出された条件
  • エシレバター(有塩タイプ)を買うこと
  • 炊き立てのご飯をバター醤油で食べること
  • 人気店のクリスマスケーキを食べること
  • 恵比寿の高級フレンチに行くこと

そのたびに、
里佳の食生活も変わり、
ずっと意識していた体型維持も無頓着になりました

付き合っていた彼氏との仲も、
徐々に陰りを見えてきてしまうほど、
里佳は梶井に傾倒していってしまいます。

そのなかでこんな悩みも出てきます。

  • 女はスラッと美しい見た目じゃないといけないのか
  • 家庭的な女じゃないと存在価値はないのか

体型・食生活・価値観。

梶井と出会う前とはまったく変わってしまった里佳。

そうやって、
梶井の影響を受けて変化が見られる里佳ですが、
親友の玲子とのこの会話もひとつのきっかけになったのかもしれません。

「なにもかも人並みのレベルを目指さなくてもいいのにね。自分にとっての適量をそれぞれ楽しんで、人生トータルで満足できたら、それで十分なのにね」
(中略)
「でも、それには自分の適量を知らないといけないんだね」
「そうだね。だから色々なものをたくさん食べて、自分にとって会う味やサイズを見つけないといけないのかも」

たしかに適量はひとそれぞれ。

里佳が最終的に、
どんな道を選び歩んでいくのか、
ちゃんと里佳にとっての適量を見つけることができるのか、
徐々に変化していく過程も存分に楽しんで読んでみてください!

人生観が変わるかも!

フェミニストとマーガリンが何よりも許せない梶井。

どの部分が許せないのか…?
その理由にふれていったり、
梶井の生い立ちをたどっていくなかで、

「なるほど・・・」

こういう考え方もできるんだ、
って思う部分もありました。

とくに響いたのはこのことば。

もし神様がいたとしたら、私たちが与えられた試練に苦しむのを見て、満足したり、喜んだりしないんじゃないかなって。だから、なにもかも自力で乗り越えなきゃいけないわけじゃないよ。成長し続けなきゃいけないわけでもないよ。そんなことより、今日一日をやり終えることの方がずっと大事。

ひとそれぞれ感じる部分は違うと思います。

でも、

これまであたり前に思っていたことも、
新しい角度で見つめ直すことができるかもしれません!

それこそ、
フェミニズムにつながっていくかもしれませんが、
しっかりと考えられる一冊としておすすめですw

おわりに

長いと感じた584ページ。

でも長かったからこそ、
「こんなことを言いたいのかな」
「こういう風に読み取れるかな」
っていう読書の楽しみを存分に堪能できたと思います!

タイトルにある『バター』。
それを使った料理もたくさん登場します。

バターを使った料理
  • バター醤油ご飯
  • たらこと紫蘇とカルピスバターのパスタ
  • 塩バターラーメン
  • カトルカール(パウンドケーキの一種)

どれもやってみよう!
という心意気だけで作れちゃいますw
ぜひ読んでみてチャレンジしてみてください(笑)

今回紹介した【BUTTER】はこちらです↓

つぶお
つぶお

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

この記事ではふれなかったですが、
小説のなかで登場する【ちびくろ・さんぼ】のリンクも張っておきます↓
なにかと話題の一冊、この機会にぜひ!

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